体重を20%以上減らす減量の新薬を開発(2022年4月最新発表)

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米国の製薬会社の「イーライリリー・アンド・カンパニー」が、ダイエット注射薬「チルゼパチド(tirzepatide)」を開発し臨床試験では最大22.5%の体重減少が確認できたと発表。
この「チルゼパチド」は消化管ホルモンのインクレチンの作用を模倣した効能があります。
ちなみに「インクレチン作用」とは、食事を摂ると腸管から分泌される消化管ホルモンで、腸管に流入した食物(ブドウ糖刺激)によりインスリン分泌を促す働きがあります。

ED治療薬の大手が画期的なダイエット薬を開発

ED治療薬の大手が画期的なダイエット薬を開発

この「チルゼパチド」を開発して「イーライリリー・アンド・カンパニー」はED治療薬の「シアリス」を開発した会社でもあります。
このダイエット薬のチルゼパチドは、以下の2つのインクレチンを合成した薬剤になっています。

グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)
グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)

間もなく、臨床試験を経て発売される予定の注射タイプの薬になります。
GLP-1は糖尿病治療薬であるセマグルチドの主成分であり、2010年より注射薬として日本でも認可を受け販売開始しており、米国では2021年には減量薬としても承認されています。

チルゼパチドは現時点では、2型糖尿病ではないものの体重過多あるいは肥満と診断された被験者2539人を対象とする第III相臨床試験の段階に進んでいます。被験者は72週間にわたってチルゼパチドあるいは偽薬を投与され、さらに低カロリーの食事と運動をサポートされました。

チルゼパチドの投与量は週1回に5mg・10mg・15mgで、どの投与量でも試験期間中に有意な体重減少が認められたとのこと。最高用量の15mgを投与された群では体重が平均22.5%(24kg)、10mgを投与された群では21.4%(22kg)、5mgでは16%(16kg)の体重減少が認められ、一方で偽薬を投与された対照群は2.4%(2kg)の体重減少にとどまったとのこと。

イーライリリーの製品開発担当ヴァイスプレジデントで臨床研究医のジェフ・エミック氏は「チルゼパチドは第III相臨床試験で平均20%以上の体重減少を実現した初めての治験薬です」と述べています。

アメリカ・ワシントンD.C.のダイエット支援施設「National Center for Weight and Wellness」の責任者であるスコット・カーン氏は「チルゼパチドの臨床試験の結果は非常にエキサイティングなものです。予備的なデータで肥満手術レベルの体重減少を示す薬で、おそらく他にも代謝に多くの利点を与えるものとなるでしょう」と述べています。

ダイエット薬(チルゼパチド)の副作用

お薬ですので、この「チルゼパチド」にも副作用があります。
臨床試験中は以下のような副作用がみられましたが、これら副作用の影響で臨床試験を中断した参加者はごくわずかだったそうです。

・投与群の3分の1が吐き気を経験
・20%前後が下痢
・その他:嘔吐(おうと)や便秘

チルゼパチドは「GLP-1とGIP」の2つのインクレチン・ホルモンを合成した薬剤となっているので、予想される副作用は同等及びそれ以上でしょう。

これら2つのインクレチン・ホルモンは消化器系への影響そてい「嘔吐 、 食欲減退 、 悪心 、 下痢 、 便秘 、 リパーゼ増加 、 腹痛 、 胃腸炎 、 浮動性めまい 、 腹部不快感」が報告されています。

「チルゼパチド」のジェネリック薬を安価に購入

この「チルゼパチド」が販売開始されれば減量効果の高さから人気が出ることが予想されます。
しかしながら、既に似たような効能でGLP-1を主成分とするセマグルチドは販売されています。
これは米国では1300ドル(約17万円)以上/月の価格で処方されています。
*ノボノルティスク製薬(デンマーク)から製薬名「ウォゴビー」で減量薬として発売されています。

保険の適用がないことから高額になっていますし、新薬となるので「チルゼパチド」も非常に高価になると予想されています。

しかし、ジェネリック薬が発売されるのは当面ありませんが、ジェネリックで既に発売されている代替品で同様な効果を得ることはジェネリックのマニアの中では知られています。

これらは、どれも糖尿病などの治療薬に通ずることがあります。
ダイエット薬は様々なタイプが発売されています。食べた食事の脂肪分を吸収を阻害する効能による大っと薬や、糖尿病患者向けの血糖値を調整するお薬などがあります。

この「チルゼパチド」に似た作用としては後者の糖尿病向け患者のお薬になるかと思います。
インスリンは血液中の糖分を脂肪に換えて体にため込む働きがあります。そして、これらの薬はインスリンの生成を抑制してくれます。
こちらはジェネリック薬として販売されており芸能人などもダイエット用に利用されている事でも知られています。美容系のクリックになどでもダイエット薬として入手も可能です。

糖尿病の治療薬GLP-1でダイエットが再注目

糖尿病患者に処方されるGLP-1はダイエット向けへは保険適用ができません。
ですが、美容系クリニックでは処方されるのはお金に多少余裕がある人が利用されるからでしょう。

このGLP-1とは、通常の食事をしていても体内にあるホルモンで血糖値を下げることでダイエット効果が得られます。食事制限などもしないので筋力低下などもなくスタイルを維持したままで体重を減らせるされています。

GLP-1はインスリン分泌を促進し、血糖値を下げる

GLP1ダイエット

GLP-1は、インスリンの分泌を促し、血糖値を下げる働きがあります。ですが、空腹時には働かずに、食後の血糖値が高いときのみインスリンを分泌させますので、血糖値が下がりぎる「低血糖症状」が起こりにくいとされています。

しかし、他の糖尿病治療薬やインスリンと併用して使用するときは、低血糖に注意しましょう。

また、「GPL-1」は、以下のような効能もあり、更なる減量効果が期待できます。
・胃の蠕動(ぜんどう)運動をおさえ、胃の内容物をすぐに小腸へ排泄させないようにする。
・視床下部の摂食中枢に直接作用し食欲をおさえる。

GLP-1薬剤には以下の2種類があります。

  • 注射タイプ薬(シリンジ,ペン型注入器,オートインジェクター)
  • 経口薬(錠剤)

GLP-1受容体作動薬は飲み薬と注射薬があります。飲み薬は1日1回で、注射薬は1日1回〜2回、もしくは週1回のものがあります。

注射タイプでのダイエットは海外ジェネリックなどを購入される人はコスト的にも稀だと思いますので、経口タイプについて主に説明をさせて頂きます。

経口薬のフォシーガ錠(Forxiga-5mg)の場合

フォシーガ錠は腎臓において、血液中から一度ろ過されたグルコース(ブドウ糖)を再び血液中へもどす作用(再吸収)を抑制し、尿糖として排泄することにより、血糖値を下げる働きがります。

1日1回1錠(フォシーガ錠/5mg)を服用します。服用するタイミングは食前でも食後でも構いません。服用する時間帯には特に制限はありませんが、毎日同じ時間に服用すると安定した効果を得ることができます。また、効果が不十分な場合は1日1回2錠(10mg)まで増量することができます。

実際、これらの医薬品は安全に利用されることを前提に作られていますが用途、用法、用量が違えば思わぬ健康被害が起こる可能性もあります。十分に注意をして利用しお体に不調を感じたらすぐに専門機関に相談ください。

参考資料:

Lilly’s tirzepatide delivered up to 22.5% weight loss in adults with obesity or overweight in SURMOUNT-1 | Eli Lilly and Company
(url:https://investor.lilly.com/news-releases/news-release-details/lillys-tirzepatide-delivered-225-weight-loss-adults-obesity-or

Experimental Drug Breaks Record For Weight Loss in Latest Clinical Trial Results
(url:https://www.sciencealert.com/experimental-drug-breaks-record-for-weight-loss-in-latest-clinical-trial-results

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