中国サッカー界「共産党打倒」宣言 国内世論に衝撃

中国サッカー界「共産党打倒」宣言 国内世論に衝撃 中国

中国サッカー有名人が顔出しで「中国共産党」の批判を行った。

中国当局が民主化を求める学生らを、北京で武力鎮圧した1989年の天安門事件から31年となった4日、サッカー元中国代表で、歴代最多ゴールを記録した郝海東(カク・カイトウ)氏(50)が米サイト「ユーチューブ」に「新中国連邦宣言」と題した動画を顔を出して投稿し、「中国共産党の殲滅(せんめつ)は正義にとって必要だ」と20分以上にわたって主張した。

 ユーチューブは中国で遮断されており、カク氏の発言に関する報道も禁止されたもよう。ただ特殊なアプリを使えば中国内からも同サイト視聴は可能で、サッカー界のレジェンドによる突然の「共産党打倒」宣言は一部に衝撃を与えている。
 カク氏の発言の動画が撮影された時期や場所は不明だが、カク氏は現在、スペインに滞在中とみられる。

 カク氏は動画で、中国共産党の全体主義統治が「人権を無視し、民主を踏みにじり、香港で殺戮(さつりく)を行ってきた」などと主張し、また新型コロナウイルスによって「世界に生物化学兵器による戦いを発動した」とも語った。トランプ米大統領の首席戦略官だったスティーブン・バノン氏や米亡命中の中国人元実業家、郭文貴氏との連携も示唆した。

郝海東(カク・カイトウ)氏

 中国の有力スポーツ紙「体育界週報」が4日、「元中国代表のHが政府を転覆し、中国の主権を侵害する言論を発表した」としてカク氏を匿名で非難する声明を公表したところ、中国のネット上で「Hとはだれだ」との声が相次いだ。

 Hとは郝(カク)氏のの漢字の中国語読み「Hao」の頭文字だ。

 ユーチューブのコメント欄には中国人とみられるユーザーから非難や困惑、称賛の声が書き込まれた。「ヘディングの後遺症でおかしくなったのか」などと嘲笑する声もあった。

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