適度な飲酒でも健康を害する可能が調査結果で判明

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「酒は百薬の長」というように昔から「適度な量の飲酒は体に良い」というように考えられてきました。大量の飲酒は身体や肝臓に悪影響を与える事は常識ではありますが、近年(2022年)の研究では「少量の飲酒でも心臓に害を及ぼす」ということが35万人規模の実験によって明らかになりました。

1ヵ月の禁酒から健康状態が改善

健康改善

そんな飲酒と健康について「1カ月間禁酒すると、その後も飲酒量が減少し、健康状態が改善する」という研究結果をワシントン・ポストがまとめています。

イギリスでは、推奨される「適量のお酒」の目安として、「1週間に14単位まで(1単位:グラスサイズ(125ml)」という基準が小さなグラスワイン (125 ml) が 1 単位であり、1 週間に 14 単位以下のアルコールを摂取量とすることが好ましいとされています。
ですが、この基準も既に古いとされ、近年の研究では基準を守っていても飲酒による心臓へのリスクがあることが分かってきています。

約35万人調査で飲酒が健康を害するリスクを増加させる

飲酒のリスク

適量とされるアルコールの接種と心血管系の病気との関連を探るべく、40歳から69歳までのイギリス在住の人を対象に、33万3259人の飲酒経験者と、2万1710人の飲酒未経験者の心血管疾患との関連を調査しました。
*調査のためのリソースは英の大規模医療データベース「UK Biobank」を利用
*アングリア・ラスキン大学による調査

調査によると、少ししかお酒を飲まない人でも血管疾患が発生しやすい事が分かった。
つまり、少ない酒量でも心臓の健康に悪い事が分かってきたのです。

これは、適量以下の飲酒量を持続している人でも、全く飲酒しない人と比べると心血管疾患で入院する可能性が高いことが明らかになりました。

この傾向は特にビールや蒸留酒を飲む人に顕著であり、アルコール度数4%のビールを1週間に4パイント(約2270ml)飲むごとに、心血管疾患に苦しむリスクが23%増加するとのこと。

飲酒は肝臓疾患から心臓疾患、感染症まで、数多くの医療疾患のリスク要因となる可能性があります。また、日本の男性においては、脳卒中や心血管疾患のリスクと飲酒量にはJ字型の関連性があることが示されています。一方、日本国内の孤独死は増加しており、アルコール乱用は社会的孤立や過剰死亡と関連することが知られています。アルコール乱用は一人暮らしの人々において孤独死のリスクが高いことが報告されており、対象者の特定や注意喚起を行うことで孤独死の予防につながるとされています。
さらに、アルコール関連疾患(ARD)には、乳がん、自殺、交通事故などが含まれ、特に男性においては死亡率が増加傾向にあることが報告されています。アルコール乱用の防止や治療に対する取り組みが不十分であることから、特定の人口グループにおいてアルコール依存症が増加していることが指摘されています。

以前の研究では調査データは正確とは言えなかった

調査データ

以前の研究では飲酒をする人と飲酒をしない人のグループにわけて調査が行われていたのですが、飲酒をしない人のグループに「健康状態が悪いために飲酒をしない」という人も含まれていたとのこと。今回の研究では飲酒をしない人の健康状態も調査し、以前心血管疾患を経験した人は飲酒をしない人のグループから除外したため、よりバイアス(調査・研究者の先入観や偏見)が薄い結果になったようです。

「アルコールを低~中量飲むことは健康にいいという神話は、『喫煙は体にいい』に次ぐ不確かな話です。アルコールの消費に関連する危険性を過小評価するバイアスを取り除いた結果、低量のアルコール消費でさえも体に悪影響があることが明らかになりました」と述べました。

禁酒ダイエットをしたいおすすめ方法3選

禁酒ダイエットをしたいおすすめ方法3選

一日の終わりににお酒を飲み気持ちをリセットしている方は多いと思います。そんな方に禁酒ダイエットを成功させる3つの方法を紹介します。

炭酸水を飲む

禁酒時に炭酸水をおすすめする理由として4つあります。

・ビールのような喉ごしを楽しむことができる。

・コンビニやスーパーなどで手軽に購入できる。

・レモン汁を入れるなど自分好みにアレンジすることができる。

・カロリーが少なく満腹感が得られ整腸作用がある。

運動で飲酒欲求を解消

ストレス解消や気晴らしが飲酒となりがちな人は運動で解消しましょう。

適度な運動は筋肉をほぐし、緊張を緩めます。血行を促進させて脳の動きを活発にする心拍を安定させて心身ともにリラックスさせる効果があります。

飲酒欲求を和らげるお薬

アルコールを体が欲する場合はお薬で飲酒欲求を満たす事も可能です。
アルコール依存症向けのお薬は飲みたい気持ち(飲酒欲求)を抑制しますので禁酒や減酒のために処方されています。

アルコール依存症は病気として認識されています。しかし日本ではアルコール依存症が病気として適切に認識されにくく個々人の人格や性格など心の弱さなどが原因と思われ、適切な治療が受けられない場合があるようです。
アルコールは日本では容易に入手でき広告もされており仕事の一環やお付き合いとして飲むことが多いためアルコール依存症は深刻な問題となっています。
アルコール依存症による経済的損失は年間70億ドル以上に上ります。
日本のアルコール依存症の発生率は、アメリカやヨーロッパに比べて低いですが、女性や高齢者の間で増加しています。アルコールに関連する死亡事例が報じられるようになってきていますが、予防や治療への取り組みはまだ不十分で、自助グループである全国禁酒会が支援を提供しています。


ただし、飲酒は人生を豊かにしてくれる事は確かで、ストレス発散や円滑な人間関係に有効な手段である事は否定はできません。ですが、これまでのように、適量なお酒やワインは身体によいなどというのは一概に言えないようですね。

ですが、お酒のない人生なんて考えられないと思うのは私だけでしょうか。
「薬も過ぎれば毒となる」というように何でも適量があるんでしょうね。

参考サイト

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