「エール」窪田正孝が原始人 初回異例OPにネット驚き!朝ドラ最古?紀元前1万年から「ギャートルズ」?

連続テレビ小説「エール」第1話。紀元前1万年から描く異色のプロローグで、原始人に扮した窪田正孝と二階堂ふみ(C)NHK エンタメ

俳優の窪田正孝(31)が主演を務めるNHK連続テレビ小説「エール」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)が30日、スタートした。初回冒頭のプロローグは朝ドラ史上最古(?)の紀元前1万年から始まり、窪田と二階堂ふみ(25)が“原始人”として出演。

前代未聞の異例オープニングは視聴者のド肝を抜いた。インターネット上にも「チャンネルを間違えたかと思った(笑)」「『半分、青い。』は胎児から始まったけど、まさかの紀元前w」「(原始人を描いたアニメ)『はじめ人間ギャートルズ』が始まったのかと思った」などと驚きの声が相次ぎ、反響を呼んだ。

 朝ドラ通算102作目。モデルは全国高等学校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」などで知られ、昭和の音楽史を代表する作曲家・古関裕而(こせき・ゆうじ)氏(1909~1989)と、妻で歌手としても活躍した金子(きんこ)氏。昭和という激動の時代を舞台に、人々の心に寄り添う曲の数々を生み出した作曲家・古山裕一(窪田)と妻・関内音(二階堂)の夫婦愛を描く。男性主演は14年後期「マッサン」の玉山鉄二(39)以来、約6年ぶり。

アニメ・ギャートルズ

 朝ドラ史に残る異色のオープニングだった。

 放送が始まるや、動物たちの叫び声とともに「紀元前一万年」のテロップ。“原始人”の窪田は銛を手に、川を泳ぐ魚を獲ろうとしている。そこへ“原始人”の二階堂も現れ「古来 音楽は人とともにあった」「以来 人は音楽を愛した」「ずっと音楽は人のそばにある」のテロップ。火山が爆発し、魚が河原に上がる。喜ぶ2人。二階堂は一心不乱に木の棒で岩を叩いて音を出し、窪田は魚を手に踊りまくる。

 続いて、西部劇風の映像。「時に音楽は人の悲しみに寄り添ってくれます」のナレーション(声優・津田健次郎)。カウボーイの窪田は棺の中の二階堂を前に「マイ・ガール」「マイ・ワイフ」と叫ぶ。そして、1980年、テニス選手の二階堂。「時に音楽は折れかけた心に力を与えてくれます」のナレーション。試合中の休憩。イヤホンをして音楽を聴く。

 続いて、70年代フォーク風の映像。「時に音楽は現実逃避の手助けをしてくれます」のナレーション。失恋した窪田はアパートの窓際に腰掛け、恋人との写真に火をつける。

 最後は現代。「時に音楽は人生を賭けた一大事に力強い武器となってくれます」のナレーション。窪田が公園をデート中、二階堂にフラッシュモブによるプロポーズ。キレキレのダンスを披露した。「いろいろやっていますが 音楽はすばらしい」「音楽が奏でる人生の物語です」のテロップ――。

 一連の映像が約4分半続いた後、「時は昭和。東京オリンピックが迫る中、1人の作曲家に大きな責任が課せられていました」のナレーション。1964年東京五輪の「オリンピック・マーチ」を作曲する主人公の姿がようやく現れ“本編”がスタートした。

 SNS上には「朝ドラとは思えないポップさだったから本当に始まったのか疑ったわ(笑)」「原始時代からスタートする朝ドラ…初めて見た(爆)」「ちょっとw子供時代からとか、そんな生温いところから始まらないw」「紀元前から始まる朝ドラは前代未聞!斬新だわぁ(笑)」「冒頭、原始時代からフラッシュモブまで、いい意味でめちゃめちゃ驚かされた」「衝撃的な始まり。窪田君のダンスはカッコよかったー」「(ダンスシーンに)『モテキ』を思い出した人、私以外にもたくさんいたw」「(前作)『スカーレット』とのあまりの違いに戸惑うw」などの書き込みが続出した。

 画期的なプロローグについて、制作統括の土屋勝裕チーフプロデューサーは「従来とは違う新しい朝ドラがスタートするワクワク感を出したいと思っていました。そして『このドラマは音楽とともに歩んだ夫婦の物語です』ということを第1話で印象付けたかったので、『音楽って何だろうね?』と問い掛けるようなオープニングになりました」と意図を説明。

 原作・林宏司氏のアイデアで「台本が送られてきた時には、正直『あれっ?何か違うドラマ?』と思いました」と笑って驚いたことを明かしながら「非常に印象的な導入部分なので、チャレンジしてみようと。普通の朝ドラとは違う、かなりの変化球でチャレンジングなオープニングですが、それが今までにない朝ドラが始まるという視聴者の皆さんの期待感につながればいいなと思っています」と挑戦に込めた思いを明かした。

 窪田と二階堂は“原始人”役を「結構、楽しんで演じていただいたと思います」。紀元前1万年から始まる朝ドラは「たぶん、かつてないでしょうね(笑)。『何が始まったんだろう?』とキョトンとする方もいるかもしれませんが、そうしているうちに、このドラマに興味を持って楽しんでご覧いただければ、うれしいです」と呼び掛けた。

 一連のプロローグについて、窪田は同局を通じて「ホントに短いシーンなんですが、西部開拓時代の教会でカウボーイ姿で泣いているところですね。細かい指示なく、すぐ本番、ワンカットで撮影したので印象に残っています。皆さんが歌ってくれた賛美歌も美しかったですし、ひつぎの中の神秘的な二階堂さんの表情もかわいかったです」と振り返った。

 昨年前期「なつぞら」で節目の100作目を迎えた連続テレビ小説。特設サイト「朝ドラ100」の舞台年表によると、最も古い時代が描かれたのは15年後期「あさが来た」の1857年(安政3~4年)。プロローグとはいえ「エール」の紀元前1万年が朝ドラ“最古”とみられる。

 オープニングのタイトルバック(タイトルの題字や出演者・スタッフのクレジット)と“覆面”男性4人組ボーカルグループ「GReeeeN」の主題歌「星影のエール」もエンディングに流れる朝ドラ初回としては異例の演出。

 最終回を除き、通常はオープニングに流れる朝ドラのタイトルバックをエンディングに持ってくる演出は、昨年前期「なつぞら」第114話(8月10日)でも行われた。ヒロイン・なつ(広瀬すず)&坂場(中川大志)らの結婚式が描かれるラスト2分、全編アニメーションの通常タイトルバックをやめ、新郎新婦を祝うために勢揃いした主要キャラクターたちの表情が映し出される中、出演者・スタッフのクレジットテロップが画面下、右から左に流れた。

 16年の大河ドラマ「真田丸」第44話「築城」(11月6日)でも、オープニングのタイトルバックをエンディングに持ってくる異例の演出がなされた。

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