日本・大阪が「世界で最も住みやすい都市ランキング」10位

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イギリスの大手経済紙「The Economist」が毎年発表している「The Global Liveability Index(世界で最も住みやすい都市ランキング)」の2022年版で日本・大阪が10位にランクインしました。
大阪というと道頓堀や通天閣、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンといった場所がパッと思い浮かびますが、これらは観光情報でも発信されている、いわゆるコテコテの観光地。大阪の有名どころになると多言語での情報も世界へ発信されていますし、交通の便も良いので現地の人のガイドなしでも簡単に行ける所も多いなど評価されやすくなっているではないでしょうか。

日本国内ではなく世界基準比較で、1位に選ばれたのはオーストリアのウィーンで、2位以下はコペンハーゲン(デンマーク)、チューリヒ(スイス)、カルガリー(カナダ)、バンクーバー(カナダ)、ジュネーブ(スイス)、フランクフルト(ドイツ)、トロント(カナダ)、アムステルダム(オランダ)という結果に。10位には同率で大阪とメルボルン(豪州)がランクインした。

「世界で最も住みやすい都市ランキング」はThe Economistの調査部門「Economist Intelligence Unit」が世界中の都市の安定性・ヘルスケア・文化と環境・教育・社会基盤の5項目を評価し、最大100点のスコアを算出して毎年まとめているランキングで、2021年からは上記の評価項目に加えて「新型コロナウイルスの感染拡大対策(医療提供体制の強化や人が密集する施設での人数制限など)」も評価対象となっています。

大阪は過去にもトップ10以内にランクインしており、2022年版のランキングでもオーストラリアのメルボルンと並んで10位にランクインしました。

ランキングトップ10は以下の通り。

1位:ウィーン(オーストリア)
2位:コペンハーゲン(デンマーク)
3位:チューリッヒ(スイス)
4位:カルガリー(カナダ)
5位:バンクーバー(カナダ)
6位:ジュネーブ(スイス)
7位:フランクフルト(ドイツ)
8位:トロント(カナダ)
9位:アムステルダム(オランダ)
10位:大阪(日本)
10位:メルボルン(オーストラリア)

上述の通り、2021年からは各都市の新型コロナウイルス対策が評価対象となっています。このため大規模なロックダウンを行っている中国や島国の都市ではスコアが下がる傾向にあったとのこと。

一方で「最も住みにくい都市」には、1位から順にダマスカス(シリア)、ラゴス(ナイジェリア)、トリポリ(リビア)、アルジェ(アルジェリア)、カラチ(パキスタン)、ポートモレスビー(パプアニューギニア)、ダッカ(バングラデシュ)、ハラレ(ジンバブエ)、ドゥアラ(カメルーン)、テヘラン(イラン)が選ばれ、医療や教育などの面で低く評価された。

また、2022年2月以降ウクライナへの進行を続けるロシアの首都モスクワは西側諸国に本拠地を置く企業の撤退が大きく影響して15位から80位に順位を下げています。なお、ウクライナの首都キーウでは戦闘の激化によって調査の続行が不可能となり、スコアは集計されませんでした。

The Economistは新型コロナウイルスの影響でスコアが全体的に下がった2021年と比べて、2022年には多くの都市でスコアが回復したことを歓迎しつつ、「(ウクライナでの)戦争が2022年の全期にわたって続けば、多くの都市が食糧不足や燃料不足に苦しむことになるでしょう。2022年に回復したスコアの寿命は短いかもしれません」と述べ、ウクライナで発生している戦闘の影響の大きさを指摘しています。

実際は単なるランクダウンの日本

ちなみに昨年の2021年の住みやすい都市ランキングは以下になります。
一見、日本人には良いニュースのように見えますが、実はランキング・ダウンしているニュースなのです。実は、「大阪」と「東京」はここ数年はベスト10に入っていましたが、「大阪」は前年(2021年版)の2位から大幅にランクダウンし、「東京」はベスト10圏外となっています。

<2021年の住みやすい都市ランキング>
01位 オークランド(ニュージーランド)
02位 大阪(日本)
03位 アデレード(オーストラリア)
04位 ウェリントン(ニュージーランド)
04位 東京(日本)
06位 パース(オーストラリア)
07位 チューリッヒ(スイス)
08位 ジュネーブ(スイス)
08位 メルボルン(オーストラリア)
10位 ブリスベン(オーストラリア)

世界で最も住みやすい都市ランキング2020
 「世界で最も住みやすい都市ランキング2020」は、 「新型コロナウイルス感染症」の感染拡大のため発表されていません。

世界で最も住みやすい都市ランキング2019
01位 ウィーン(オーストリア) 
02位 メルボルン(オーストラリア)
03位 シドニー(オーストラリア)
04位 大阪(日本)
05位 カルガリー(カナダ)
06位 バンクーバー(カナダ)
07位 トロント(カナダ)
07位 東京(日本)
09位 コペンハーゲン(デンマーク)
10位 アデレード(オーストラリア)

世界で最も住みやすい都市ランキング2018
01位 ウィーン(オーストリア)
02位 メルボルン(オーストラリア)
03位 大阪(日本)
04位 カルガリー(カナダ)
05位 シドニー(オーストラリア)
06位 バンクーバー(カナダ)
07位 トロント(カナダ)
07位 東京(日本)
09位 コペンハーゲン(デンマーク)
10位 アデレード(オーストラリア)

世界で最も住みやすい都市ランキング2017
01位 メルボルン(オーストラリア)
02位 ウィーン(オーストリア)
03位 バンクーバー(カナダ)
04位 トロント(カナダ)
05位 カルガリー(カナダ)
05位 アデレード(オーストラリア)
07位 パース(オーストラリア)
08位 オークランド(ニュージーランド)
09位 ヘルシンキ(フィンランド)
10位 ハンブルク(ドイツ)

世界で最も住みやすい都市ランキング2016
01位 メルボルン(オーストラリア)
02位 ウィーン(オーストリア)
03位 バンクーバー(カナダ)
04位 トロント(カナダ)
05位 カルガリー(カナダ)
05位 アデレード(オーストラリア)
07位 パース(オーストラリア)
08位 オークランド(ニュージーランド)
09位 ヘルシンキ(フィンランド)
10位 ハンブルク(ドイツ)

ベスト10に入る都市は、都市圏人口が1,000万人以下の都市がほとんどです。しかし、「大阪」は、昨年と比べてもランクダウンをしましたが、都市圏人口はおよそ1,200万人の巨大都市でありながら住みやすい都市というのは、ある意味凄い事ではないでしょうか。

The Global Liveability Index 2022(English)

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