2020年5月25日、安倍晋三首相は緊急事態宣言の全面的な解除を宣言しました。緊急事態宣言が解除されても感染リスクを下げるため、なるべく外出を控えることが推奨されています。
そこで、実際に屋内と屋外でウイルスの感染リスクはどのように異なるのかを、Voxがムービーで解説しています。
How coronavirus spreads outdoors vs. indoors – YouTube
〇2020年1月23日に、
中国・湖南省の武漢市から広東省の広州市へ、4人家族が旅行で訪れました。
4人家族は広州市内の料理店で食事を行いました。
この時、家族の1人がすでに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症していたことがわかっています。
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食事から数日後、同卓を囲んでいた人もCOVID-19を発症。さらに隣のテーブルに座っていた人にもCOVID-19を発症しました。感染源である人物から発症した人まで最大で4.25メートルも離れていたとのこと。
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しかし、同じ料理店の中でも、COVID-19を発症した人が一人も出なかったテーブルもありました。
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その後の調査で、店内の空調が大きな影響を与えていたことがわかりました。
5つあるテーブルのうち、上3つのテーブルはちょうど空調が生む気流の通り道になっており、新型コロナウイルスをのせた空気が循環し、感染を拡大していた可能性が指摘されています。
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多くの国で、緊急事態宣言にともなって外出禁止が発令されており、生活必需品を調達する時以外は家にいることが強く推奨されています。しかし、屋外にいるから危険というわけでもなく、屋内にいるから安全というわけでもありません。
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新型コロナウイルスは飛まつ感染で拡大するといわれています。たとえばせきやくしゃみ、あるいは会話時に、新型コロナウイルスを含んだ小さな水滴(飛まつ)が口から飛び出します。
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飛まつのほとんどは重力によって下に落ちていきますが、小さくて軽いものはそのまま空中を漂い、水分が蒸発するとウイルスが空中をしばらくの間浮遊することとなります。
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もちろん、こうしたウイルスへの暴露量が減れば減るほど、感染リスクは下がるといえます。
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ウイルスへの暴露量を減らして感染リスクを下げるために、3つの要素を気にする必要があります。1つ目は「他人との距離」であり、およそ1.8メートルほどの「社会的距離」を維持することが重要といわれています。
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2つ目は「接触時間」で、他人と接触した時間がどれぐらいなのかが大きく影響します。
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そして3つ目が「気流」です。屋内であっても、他人と距離を取っていても、気流によってウイルスが運ばれてしまうと感染してしまうのは、先述の広州市内の料理店での事例からもわかる通り。
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屋内では気流が循環してしまうため、感染リスクは高まってしまう可能性があります。そのため、屋内では換気を行い、気流が循環してしまわないように注意することが重要です。
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Voxは実際に、紫外線に反応する物質を含む液体をスプレーし、屋内と屋外で飛まつがTシャツにどれだけ付着するかを検証しています。
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その結果、屋内は飛まつがTシャツに多数付着していたのに対し、屋外ではほとんど付着がみられなかったとのこと。屋外は空気が常に流れているため、ウイルスを分散させることができていたとVoxは主張しています。また、屋外は日光による紫外線や風、雨などによってウイルスの拡散が抑えられているとのこと。
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実際に中国国内で確認できているCOVID-19集団感染事例は318件ありますが、そのうち屋外で集団感染がみられたのはたった1件だったそうです。
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とはいえ、屋外だからかならず安全だというわけではありません。人通りがなければ感染リスクは低いといえますが……
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屋外で誰かと会話するだけで感染リスクは一気に上昇します。
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会話時の飛まつで感染するのを防ぐためにマスクをするだけで、感染リスクは下がります。
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また、ランニングやサイクリングは気流でウイルスが流れて安全そうにみえますが、実際は「スリップストリーム」でウイルスが拡散しやすくなることが指摘されています。例えばランニングをする男性が腕で口を覆いながらくしゃみをすると……
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飛まつはそのままランニングする男性が発生させる気流にのって、横を歩く女性にふりかかります。
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そのため、屋外での感染リスクを確実に下げるためには「社会的距離を十分に取ること」「接触時間を減らすこと」「マスクを着用すること」が重要といえます。
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Voxは「屋外に出ることそのものが感染リスクを上げるというわけではありません。私たちそれぞれがどういう行動をとるかが重要なのです」と述べています。
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