中国共産党批判コメント削除は「エラー」、ユーチューブ

中国共産党批判コメント削除は「エラー??」、ユーチューブ

【AFP=時事】米グーグル(Google)傘下の動画共有サイト、ユーチューブ(YouTube)は26日、中国共産党を批判するコメントが削除されているとの苦情について、調査中だが、現在のところシステムの「エラー」が原因とみられると発表した。

今回のユーチューブの調査は、バーチャルリアリティー(VR、仮想現実)企業オキュラス(Oculus)の創設者で、現在は防衛技術企業で活動するパーマー・ラッキー(Palmer Luckey)氏の苦情を米IT系ニュースサイト「ザ・バージ(The Verge)」が報じたことがきっかけで実施された。

 ラッキー氏は25日、「ユーチューブは私が中国共産党のインターネット・プロパガンダ部門、五毛(Wumao)について書いたコメントをことごとく削除している」とツイッター(Twitter)に投稿し、ユーチューブの新しい検閲方針が原因ではないかと示唆した。これに対し、他のツイッターユーザーからも中国共産党に関するコメントが削除されていると同意する声が上がった。

 ラッキー氏のコメントに関心を寄せた米共和党のテッド・クルーズ(Ted Cruz)上院議員は「非常に憂慮すべき」事態だとし、「グーグルとユーチューブはなぜ中国共産党に代わって米国人を検閲するのか? 間違っている」「IT大手は力に酔いしれている。シャーマン法(Sherman Act)は独占力の乱用を禁じている。司法省は今すぐ止めるべきだ」とツイートした。

 クルーズ氏の主張は、IT大手が保守派に偏見を持っており、独占禁止法違反で処分すべきだというホワイトハウス(White House)の根拠のない見解を踏まえたものとみられる。

 ユーチューブはAFPに対し、ポリシーは従来通りで変更はなく、フィルターは「スパム、憎悪、嫌がらせ」のみを削除するよう設計されていると説明した。さらにラッキー氏の苦情については、システムの「エラー」が原因と思われ、現在調査中と回答した。

YouTube is deleting comments with two phrases that insult China’s Communist Party – The Verge
https://www.theverge.com/2020/5/26/21270290/youtube-deleting-comments-censorship-chinese-communist-party-ccp

YouTube auto-deletes comments with phrases critical of Chinese government [Updated] | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2020/05/youtube-auto-deletes-comments-with-phrases-critical-of-chinese-government/

YouTube says that an error caused comments critical of China’s government to auto-delete | TechCrunch
https://techcrunch.com/2020/05/26/youtube-china-comments-wumao-dang/

YouTubeで中国共産党を批判するコメントが自動削除されていることを最初に指摘したのは、中国出身の人権活動家ジェニファー・ゼン氏です。ゼン氏は2020年5月13日のツイートで「YouTubeで、中国共産党の指示で活動するゲリラを意味する『共匪(Gongfei)』とコメントすると、15秒で自動的に削除されてしまいます。3回試しましたが、全て同じ結果でした」と訴えました。


ゼン氏がアップロードしたムービーは、画面全体にモザイクがかかっていますが、ニュース映像らしきYouTubeのムービーに「gong fei」と入力しているのがかろうじて分かります。


コメントが投稿されると、コメント欄の一番上に表示されますが……


少ししてから画面を更新すると、跡形もなく消えてしまいました。


また、VR機器メーカーOculusの創設者であるパーマー・ラッキー氏は、「YouTubeは、中国共産党のインターネットプロパガンダ部門である五毛(Wumao)に関する私のコメントをすべて削除しました。(YouTubeを運営している)Googleの一体誰が、中国からは見ることが不可能なアメリカのプラットフォームで、アメリカ人がアップロードしたムービーに投稿されたアメリカ人のコメントを検閲することにしたというのでしょうか?」と述べています。

こうしたコメントの削除はいずれも1分以内と極めて迅速なほか、文脈を無視しており、「五毛は実にいい仕事をしている」といった肯定的なコメントも削除されたとのこと。YouTubeの広報担当者は、この問題を取り上げたThe Verge、Ars Technica、TechCrunchなどの複数のメディアに対し、「これは、当社の執行システムのエラーのようですが、目下調査中です」との声明を発表しました。


YouTubeはかねてからAIを用いたコンテンツの管理を行っており、これに対しては「資料価値のある戦争犯罪ムービーが暴力的なムービーとして削除された」「教育目的のムービーまで規制されている」といった問題がこれまで指摘されていました。

特に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が本格化した2020年3月から、Googleは一部を除く北米の全従業員の勤務態勢をリモートワークに切り替えており、これに伴ってYouTubeにおけるコンテンツ監視もAIを主軸としたものになっていることから、「間違ったポリシー違反の判断が増える」と予想されていました。


The VergeはYouTubeでのコンテンツ削除について、「Googleはコンテンツの検閲を許すことで中国共産党の意向に従ってきたとして、たびたび批判にさらされてきました。特に、中国向け検閲付き検索サービスの開発に着手した『プロジェクト・ドラゴンフライ』は注目に値します。このプロジェクトは実現には至りませんでしたが、中国市場に参入するためにGoogleが長きにわたり続けてきた試行錯誤の1つでした」とコメントしました。

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