「オーガズム(イキにくい)原因は興奮しすぎだった!」学者見解でセックスでベスト・パフォーマンス

健康

イギリスにあるサセックス大学の数学者が、「セックス中の男性が過度に心理的な興奮をするとオーガズムを得にくくなることが分かった」と発表しました。
男女数百人の性交を観察した研究データ、セックス中の人の脳をスキャンしたデータなどを、数理モデルで分析したこの研究により「男性が絶頂に至れない問題」を解決する糸口も見つかっています。

興奮のし過ぎは早漏だけはなった

男性の早漏(射精が早すぎる状態)は「興奮や緊張を和らげる」事で改善する事が知られています。
このように原因を解消するための早漏防止薬も販売されているます。セックスに際の過剰な興奮や緊張が実は満足ができないセックスとなり易い要因でもあり、これらの興奮状態によっては射精ができない「オーガズムに達しにくい」要因の一つである事も確認できました。

サセックス大学の応用数学者であるKonstantin Blyuss氏(右)と、Yuliya Kyrychko氏(左)。

Blyuss氏らによると、イギリス人男性の約5人に1人が勃起不全に悩まされており、40~70代ではその割合が50%にも達するとのこと。

この報告を受けて、2人は男性の性的反応を数学的にモデル化し、問題を改善させる方法を探ることにしました。


よく知られている「勃起不全と早漏防止」の改善成分を一つにした医薬品があります。
早漏防止成分には「ダポキセチン」成分が「興奮など」を緩和する働きがあります。また、勃起不全など十分に膨張できない性器が早漏の要因とも考えられています。
これにより、通常の勃起力を向上する成分と早漏を防止する事により更に気持ちが良い「オーガズム」が得られるセックスができるようになります。

この発表では、これらの医薬品の利用で「セックスが気持ちよくなる」という口コミの根拠が証明されたようです。

セックスを数式でひも解くにあたり、Blyuss氏らは大きく分けて2つの研究データに着目しました。
そのうちの1つは、1万回もの性行為から収集したデータをまとめた1966年の論文です。

この論文を記したアメリカの研究者のウィリアム・マスターズとヴァージナ・ジョンソンは、380人以上の女性と300人以上の男性を研究室に招き、参加者らが性行為をする様子をつぶさに観察しました。
その結果からマスターズらは、人間の性的反応が「興奮」「プラトー(停滞)」「オーガズム」「解消」というサイクルをたどることを発見したほか、各段階における生殖器の生理的変化や呼吸の増加、脈拍や血圧の上昇、オーガズム直後の無意識の発汗といった反応も詳細にまとめました。

この研究は当時としては画期的なものでしたが、女性は男性と異なり「興奮」「プラトー」「オーガズム」「解消」という直線的な経過をたどらないことが後に判明しています。また、肉体の反応しか捉えられておらず心理的要素が考慮されていないとの批判もなされました。

そこでBlyuss氏らは、マスターズらの研究データと、セックス中の人の脳を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)でスキャンした5つの研究データを組み合わせて、性的な行為中の男性の生理学的データと、心理的興奮の両方の変化をモデル化しました。

以下は、両氏が論文に記載した数理モデルの一部です。

この研究の結果、セックス前またはセックス中における心理的興奮の初期レベルが高すぎると、男性がオーガズムに達する可能性が損なわれることが分かりました。
その理由の1つは、過度に興奮すると自分の性的パフォーマンスやオーガズムの達成に集中しすぎてしまうことです。

興奮しすぎてオーガズムに達することにばかり気を取られてしまうと、不安が引き起こされてしまい、これがさらに「心理的な過剰刺激状態」の原因となります。その結果、絶頂しそうなのに絶頂できないというもどかしい状況に陥ってしまうとのこと。

セックスで興奮のし過ぎはベストパフォーマンスを出せない

これを回避するには、精神的なスイッチを切ってリラックスすることで心理的興奮を低下させる必要があります。
これについてBlyuss氏は「要するに、私たちの発見は『考え過ぎるな』ということです」とコメントしました。

これを回避するには、精神的なスイッチを切ってリラックスすることで心理的興奮を低下させる必要があります。これについてBlyuss氏は「要するに、私たちの発見は『考え過ぎるな』ということです」とコメントしました。

他にも今回、構築された数理モデルでは「心理的な刺激によって身体的な興奮度が低下する」ことも突き止められました。これは、直感に反するようにも思えますが、オーガズムの直前には脳の多くの領域が不活性化するというfMRIの研究データとも一致しているとのこと。

このことからBlyuss氏らは「つまり、オーガズムは解放と関連したものと言えます。それは肉体的な解放であるのと同時に、精神的な解放でもあるのです」と述べました。

興奮と緊張によって引き起こされる早漏を管理するためのヒント

興奮と緊張によって引き起こされる早漏を管理するためのヒント

オーガズムに関しては男女比較すれば、男性は射精のタイミングでオーガズムに達するとみることができますが、女性はオーガズムに達せる確率は高くはないはずです。


興奮と緊張によって引き起こされる満足感が高いオーガズムや早漏を克服するためには、以下のようなヒントが役立つはずです。

1. 呼吸法の実践

呼吸法は、興奮と緊張を緩和するために非常に有効です。深呼吸をすることで、交感神経が抑制され、副交感神経が刺激されます。これにより、身体の緊張が緩和され、よりリラックスした状態で性行為に臨むことができます。

2. 先回りする練習をする

先回りする練習は早漏を克服するために非常に有効です。この練習は、自慰行為をする際に、自分自身を意識的にコントロールすることで行います。これにより、性的興奮をコントロールし、より長い時間をかけて射精することができます。

3. コンドームを使用する

コンドームを使用することは、過剰の興奮を抑える働きもあります。コンドームは、男性の性器の感度を軽減するため、性的な刺激を抑えられることにより興奮や緊張などの心理的な負荷を抑えることができ、気持ちよくオーガズムを得られやすくなります。

心を落ち着かせ早漏を防止させるダポキセチン

早漏を防止させるダポキセチン

早漏を防止し最高のオーガズムが得られる成分としてダポキセチンは端的な説明としては「過剰な興奮を抑える」働きがあります。

一部の早漏防止薬ではペニスを麻痺させるなどによるもので効果がありますが、興奮状態は変わらず、快感が激減することから、オーガズムを得る観点からは不利に働くとされています。
また、副作用としてペニスの感覚に異常が起き勃起不全にもつながる可能性もあります。

こちらで取り上げました研究からもより良いオーガズムを得るためには「心理的興奮」を抑える事です。

この点においてもダポキセチンが配合されている勃起不全薬は最強の勃起薬でもあるようです。

ダポキセチン参考

Sex, ducks, and rock “n” roll: Mathematical model of sexual response | Chaos: An Interdisciplinary Journal of Nonlinear Science | AIP Publishing
https://doi.org/10.1063/5.0143190

Want satisfaction? Do the maths : Broadcast: News items : University of Sussex
https://www.sussex.ac.uk/broadcast/read/60611

Getting too excited can stop men from orgasming – but there’s a solution
https://theconversation.com/getting-too-excited-can-stop-men-from-orgasming-but-theres-a-solution-203443

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